編集部より: 未来を占うエンジニアリング
明日を形作るためには、ひとりひとりが今すぐ行動を起こさなければなりません。これは企業にも当てはまります。
“ストラテジー 2030” で、ポルシェは “未来へのアクションプラン” なるものを設定しました。それを司るのはもちろん人間です。なぜなら、すべての社会活動は人間によって営まれているからです。私たちは魅力的な製品づくり、そして何よりも世界を取り巻くビジネス環境の持続可能性を目指していきます。
ポルシェのミッション――それはお客様の夢の実現 です。
ポルシェは社会や将来の世代に対する責任を果たしていきます。私たちは 2030 年以降、CO₂ ニュートラルを目指すという野心的な目標を掲げ、その実現に向けて開発から生産、使用からリサイクルに至るバリュー チェーン全体に注目しています。このような包括的なアプローチによって、ポルシェは持続可能なモビリティの先駆者として自動車産業を率いていきます。
2016 年以降、私たちはサステナビリティを企業戦略の要件に位置づけてきました。ツッフェンハウゼンとライプツィヒでラインオフする車輌は、すでに CO₂ ニュートラルな方法で製造されており、生産工程では再生可能エネルギーやバイオガスを利用しています。次のステッ プは、サプライヤーにも同じ条件を要求することです。また、自動車使用期間中の気候変動への影響をゼロにするため、長期的にはグリーン電力の使用を促進し、今後 10 年間で CO₂ ニュートラルに向けて 10 億ユーロを超える金額を投資していきたいと考えています。
環境目標を達成するには明確なビジョンが必要となります。例えば、実験段階ではありますが南米チリでは シーメンスエネルギーと共同でカーボンニュートラルに近付ける次世代燃料 “e フューエル” の開発に着手して おり、2022 年からは世界で初めて e フューエル専用のプラントで合成燃料の生産を予定しています。この合成燃料は、気候変動に実質的な影響を与えることなく高回転の内燃機関を駆動できる可能性を秘めています。
高性能エンジンと言えば、ワールドプレミアを迎えた新型 911GT3 に注目が集まっています。開発エンジニアたちはこれまで一貫して、実証済みのレース技術を市販モデルに応用しており、第 7 世代の GT3 は、ブランドを 代表するフラッグシップスポーツとしてポルシェのレース哲学を力強く継承しています。私たちのドライブチェーン戦略では、こうした高効率の内燃エンジンに注力する一方で電動化も進めており、2030 年までに 80% 以上の 車輌が完全または部分的に電動化される予定です。若き刘凡のエピソードでは e モビリティに対する私たちの情熱が語られていますが、彼が現在在籍する上海の同済大学は、ポルシェ社長であるオリバー・ブルーメが 1990 年代末に博士号を取得した学府でもあります。刘凡のお気に入りの一台は、ずばりタイカンです。そしてその最初の派生モデルであるクロスツーリスモは、極北の凍てつく寒さや灼熱の砂漠と いった過酷な気象環境に果敢に挑んでいます。
親愛なる読者の皆さま。今号の『クリストフォーラス』では、感動の 6 大陸横断ワールドツアーをお楽しみください。
燃料消費量
911 GT3
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13.0 – 12.9 l/100 km
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294 – 293 g/km
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G Class
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G Class
Taycan Turbo GT
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21.6 – 20.7 kWh/100 km
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0 g/km
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A Class
ポルシェ タイカン クロスツーリスモ モデル
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24.8 – 21.3 kWh/100 km
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0 g/km
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A Class